個人主義社会は、契約社会である。民主主義は、個人主義を下敷きにした思想である。故に、民主主義社会は、契約社会である。
人民が個人の集合体であるように、人為的場は、個人の意識が、重なってできる場である。故に、契約や合意が必要となるのである。人為的な場、人民の最低限の合意に基づく。この合意を確認した関係が、契約関係である。
民主主義社会の基礎となる合意とは、高次元の合意ではなく、合意とは、最低限の一致である。この点を誤解してはならない。民主主義社会において高次元の合意を求めるべきではない。人間関係上における最低限の合意に基づく社会が、民主主義社会なのである。つまり、皆が皆、当たり前、当然と見なす一致、合意を前提として成り立っている社会が、民主主義社会なのである。
民主主義は、合意によって成り立っている。故に、最初の合意が非常に大切になる。なかなかまとまらないからとっいて、安易な合意に基づいて制度を構築すると土台のもろい建物のように体制が落ち着かなくなる。
個人は、弧人ではない。いろいろな人間関係の延長線上に存在する。
もし、個人が他の存在を必要とせず、存在できるのならば、個人主義は、社会を絶対必要要件とはしない。しかし、個人が社会を必要とするならば、個人主義が成立し、維持される大切がなければ、個人主義そのものが成立しなくなる。
観念的には、個人は、他の存在を必要としていないようにみえる。しかし、生物的、物理的、認識上においては、他の存在がなければ成り立たない。また、自己の認識も自己間接的認識対象であるから、他がなければ成立しない。故に、人間は、他を必要としている。
人間は、社会的動物である。社会は、一人以上の人間が、存在すれば必然的に形成される。人は、一人では生きられない。少なくとも、幼児期は,何者かの援助がなければ生存できない。故に、人間は、社会的動物である。
社会の中で個人は、相互依存関係にある。相互依存関係にない個人を民主主義は前提としていない。つまり、人間は、一人で生まれたのでもなく。一人で生きられる、存在でもない。仮に、全く、社会と隔絶した世界に住む人間が居たとしても、そのような人間は、基本的に民主主義社会に影響を及ぼさないから、存在しないに等しい。故に、そのような個人を想定する事自体、無意味である。人間は、社会的動物であり、個人は、社会にあって相互依存関係にある。
人間は、社会的動物であり、相互依存関係にある以上、何らかの契約関係を結ばなければ生存できない。人間が全く他の存在を必要とせず、何ものにも依存せずに生きていけるならば、社会は成り立たず、法も制度もいらない。しかし、彼にそういう個人が存在しても、彼は、法や制度の埒外にあるから、法や制度の影響下にある人間にとって存在しないも同然である。だから、仮に存在したとしても、考察の対象から外しても問題にならない。故に、人間は、社会的であり、相互依存関係にあると定義する。
契約関係の根本は、信頼関係である。つまり、契約関係が成り立つためには、自己が、個人として自立していなければならない。さらに、契約する相手が、個人として自立している事を承認していなければならない。相互に信頼関係がなければ、契約関係は生じない。
契約というのは、相手を信頼することによって成り立っているからである。つまり、契約社会は、信頼関係を前提として成り立っている。信頼関係が成立されるためには、自立した自己を前提としなければならない。個人として信頼関係が築けない関係には、契約関係は、成立しない。そこに、強制的関係が、はじめて生じる。強制的関係は、力関係よって決まる。
成人式というのは、自立した個人として社会が認めた事、社会に認められた事を公開する儀式である。民主主義国において、成人に達すると言う事は特別な意味がある。成人に達すると言う事によって、社会と契約を改めて結び直し、権利と義務が付与されのみならず、一人前の社会人として認められるのである。
民主主義社会は、国民の意識と合意に基づく社会である。民主主義は、社会を前提としている。民主主義は、相互依存関係にある個人を前提としている。民主主義は、自立した個人の意志に基づいて成立する。自立した個人は、契約によって相互依存関係が築かれる。故に、民主主義国は、契約社会である。
Since 2001.1.6
本ページの著作権は全て制作者の小谷野敬一郎に属しますので、一切の無断転載を禁じます。
The Copyright of these webpages including all the tables, figures and pictures
belongs the author, Keiichirou Koyano.Don't reproduce any copyright withiout
permission of the author.Thanks.
Copyright(C) 2001 Keiichirou Koyano