現代社会は、生産性ばかりを優先する。
生産性を向上しろ。効率上げろと…。
でも、人間性を置き忘れている。
その行きつくところは、軍隊だって生産性でしかなくなる。
戦争の生産性であり、効率である。
いかに効率的に、合理的に大量に兵隊を殺せるか、破壊できるか。
人間性を忘れたら、軍隊の発想と何も変わらなくなる。
国を守るための闘いとは、生産性を上げる事とは違う。
いかに外敵から国を守るか。災害から人々を守るか。
生産性以前に志すところが大切なのである。
私は、覚えている。
生れてはじめて野生のアザミを見た時、鮮やかで大きかった事を私は、覚えている。
私は、覚えている。夏の暑さを・・・。
蝉時雨を…。
私は、覚えている。ツクツクホーシの鳴き声を・・・。
掌の中のコザクラインコの温もりを、私は覚えている。
私は、覚えている。友との語らい。無邪気な笑い声。
私は、覚えている夜光虫の神秘的な揺らめきを…。
二人で見た蛍のはかなげな光を…。
私は、覚えている夏草の匂いを潮の香を…。
頬を撫でて吹き抜ける風を・・・。
私は、覚えている。泣きながら唄った惜別の歌。
私は、覚えている。暖炉で燃える薪の音、臭い。
空に巻き上げられる焚火の炎を…。
私は覚えている。
遠い記憶を…。
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