44、経済における微分と積分


数学というと、日本人は代数を思い浮かべがちだが、欧米ではむしろ幾何学的なことを思い浮かべるようである。
経済も幾何学的な要素が重要である。言うなれば、経済幾何の持つ働きが重要となる。

初期の数学は、数だけでなく、図形的でもあるのである。
幾何と代数が正式に結び合ったのは、デカルト以後である。
図形と代数が一体になったことで、ゼロや負の概念が数学に取り込まれた。

しかし、図形、即ち、幾何は、それよりもずっと長い歴史を持っている。
幾何学的な発想は、近代数学の基礎でもある事を忘れてはならない。

幾何は、図形、平たく言えば形を基とした数学と言える。

図形で一番重要なのは多次元な概念を意味する。
多次元とは、線とか、面とか立体といった事を数学的に表現したことである。

形に基づく数学というのは、長さや面積や体積を測定し,計算によって導き出す事を言う。
そして、形を基礎とした積分も同様に長い歴史を持っている。

積分や微分というのは、次元を操作する事で変化や、量、運動量を測定することを目的として成立した。
経済的事象は、線型関係に還元する事で変化や運動、量を測定することを可能とする。
次元を操作する事で,経済的事象を線型関係に還元する事が可能となる。

経済的事象は、線型関係に還元することによって解明されることが多くある。

集合の要素を直線に集約して全体の性格や傾向を明らかにするのが線型である。
線型は、比例を表す。
比例的に現れる関係とは、何かが何かに反応している。
何かが何かに比例して大きくなるとか、小さくなる、濃くなるとか、薄くなる、強くなる、弱くなると言う関係を線型関係という。
他に、高くなる、低くなる、熱くなる、冷たくなる、深くなる、浅くなる、厚くなる、薄くなるなどがある。

経済にとって長方形は、基本となる図形である。

例えば、価格は、物の量と貨幣単位の値の積だから長方形として図形化できる。
人件費は、時間と単価の積だから同様に長方形で表せる。
売上も粗利益も同様に長方形で表せる。

経済では面積が重要な意味を持つ。





       

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